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よく分かるDPC

第1回 DPCとは

多摩大学 医療リスクマネジメント研究所 教授 真野俊樹

マネジメントの側面から疾病を分類したDPC

2003年4月から特定機能病院82病院にDPC (Diagnostic Procedure Combination) と呼ばれる、いわば一日当たり疾患別定額払いという、世界でも珍しい支払い方式が導入された。

DPC病院の状況
名称 施設数 一般病床数 新名称
DPC対象病院 82 特定機能病院等82 約7万床 DPC対象病院
試行的適用病院 62 国立8、社保25、民間等29 約2.5万床 DPC対象病院
調査協力病院 228 15年度から参加20(国立1、社保9、民間等10) 約9.4万床 DPC準備病院(18年度DPC請求を開始すればDPC対象病院)
16年度から参加125 ※4ヵ月分の全データ提出は40のみ(国立9、社保4、民間等112)
17年度から参加83(国立4、社保2、民間等77)
372 特定機能等82、国立22、社保40、民間等228 18.9万床  

この広がりつつある診療報酬支払い方式について考えてみよう。よく比較されるものにDRGがある。DRGとはDiagnosis Related Groupの略で、ICD {International Classification of Diseases:国際疾病分類、現在ICD10、ICD9CM (手術および処置の分類) が中心で使われる} で1万件以上ある病名データを人件費、医薬品費、医薬材料費などの医療資源の必要度から統計上意味のある500程度の病名グループに整理し、分類する方法をいう。

これは診断群別分類であるが、1968年米エール大で病院運営を改善するための評価方法として開発されたもので、医学の視点から作成されたものではないところに特徴がある。すなわち、この診断群の分類ルールは、ICD-9の1万以上ある病名を、資源消費パターンの類似性で分類したのである。診断群ごとに治療に要した労力や薬剤、医療材料、入院日数などが類似しているわけで、平たく言えば、病気がコストによって分類されたのである。したがって、同一患者が複数のDRGに属することはない。

さて、DRGは元来、病院運営の無駄を省いて生産性を上げるために開発されたマネジメント手法の1つで、具体的には患者に使った人件費、薬剤や医療材料、入院日数、コストなどのデータをできるだけ多くの病院から集め、一定の疾患ごとに分析することでそれぞれの病院の改善点を明確にすることが主たる目的で、いいかえればDRGはQC (Quality Control:品質管理) 活動と同じ目的で始まった研究プログラムであった。

しかし一方では、支払い方式との関連が模索されていった。すなわちDRG / PPSと呼ばれる支払い方式である。ここで注意してほしいのは、DRGは診断群分類の話であって、それ自体お金の話とは無関係である。つまりPPSという用語が重要なのである。PPSとはProspective Payment Systemの略で、前払いを意味する。実際に支払われるのは後払いなのであるが、たとえばDRG / PPSの場合には、事前にこの疾患、たとえば合併症のない糖尿病であれば、支払額が決まっているのだ。もう少し専門的に説明すれば、検査料、投薬料 (および入院の場合は入院費) 等を合わせた医療費が一定水準に定められているものをPPSという。このうち、DRG分類に基づいて医療費が設定されているものをDRG / PPSと呼ぶのだ。

米国では高齢者の公的保険であるメディケアで1983年からDRG / PPSが施行されている。このためDRGイコール包括支払い方式というイメージで世界的に知られるようになったが、これは正しくない。

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